2023年4月8日2024年10月31日に投稿 投稿者 元)新人監督 — コメントを残す【書評】西尾茂子著「現代物理学の父ニールス・ボーア」 【スポンサーリンク】今回ご紹介する書籍は数々の資料・調査に基づき カッチリした内容を届けています。それでいて暖かい。 【以下で、本稿の太字部は同書からの引用とします】(本書ではボーアに対して) 物理学者として最も優れ、 社会人として最も賢明で善良な一人の人物が 何を考え、何を行ったかをただ、記述しよう としたに過ぎない。と著者は語っています。私としては1921年3月3日を起点として 本書を読まれることをお勧めします。 広く知られた1925年からの論文ラッシュで 「量子力学」は数多くの人々が確立 していった分野ですが、その少し前に デンマークでボーアが研究所を立ち上げるのです。 そのタイミングが1921年です。 コペンハーゲン大学理論物理学研究所の開設です。 【現在の研究所へのリンク】そこでシュレディンガーが疲労困憊するまで議論して 病床でボーアに更に追い込まれる様子が描かれています。 また、ボーアがラザフォードを尊敬する様子、 パウリが坊弱無人とも言える追い込みをかける様子が ありありと描き出され、何時までも 楽しめる資料となっています。本書では暖かい人間観察と伝え方で夫々の物理学者を描き出しています。たとえば(ハイゼンベルグは)ボーアから 数学的形式化より前に物理的意味を 把握する事の重要性を学んだのです。 ボーアの魅力、ハイゼンベルグの魅力が伝わってきます。例えばディラックの魅力を伝えている言葉をご紹介しましょう。「他の人の仕事に口出しする事をしたことがない。 彼の時間を無駄に費やすのではないかといつも心配した。 私自身の時間を費やすことは何とも思わないが 他の人の時間を無駄にしたくない。」(そう語るディラックは) 非常に思いやりがあって、とても学閥など作る人ではなかった。 コペンハーゲン精神を広めなかった別格の人である。ディラックに対して尊敬と思いやりを込めた文章だと思います。〆以上、間違い・ご意見は 以下アドレスまでお願いします。 問題点に対しては 適時、返信・改定をします。nowkouji226@gmail.com2023/04/08_初稿投稿 2024/11/11‗改訂投稿舞台別のご紹介へ 時代別(順)のご紹 イギリスのご紹介へ ケンブリッジのご紹介へ オランダ関係の紹介へ ライデン大学のご紹介へ アメリカ関連のご紹介へ 熱統計関連のご紹介へ 量子力学関係へ【このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています】Follow me!関連FacebookXHatenaPocketCopy投稿ナビゲーション前の投稿: 大栗博司【おおぐり ひろし‗1962年生まれ ~ ご存命中】次の投稿: 【Topics】量子コンピューターの原理における回路量子電磁力学(特に超伝導共振器) コメントを残す コメントをキャンセルコメントを投稿するにはログインしてください。