2023年5月14日2024年10月31日に投稿 投稿者 元)新人監督 — コメントを残す【書評】「アインシュタイン回顧録」|アルバート・アインシュタイン著渡辺正訳 【スポンサーリンク】1946年、67歳になったアインシュタインが 自分の人生・研究を振り返り纏め直している内容です。和訳の刊行が「ちくま学芸文庫」から2022年なので デジタルでの復元画などを取り入れていて印象も新しく 非常に読み応えのある一冊となっています。科学哲学・科学史を踏まえてアインシュタインなりの 一貫した思考形式を披露してくれています。たとえば、1711年生まれの英国人D・ヒュームが 因果律を経験による論理の切り離しを説いている のに対してドイツのカントはあらゆる思考に対して 前提概念群があるとしていますが、それに対して アインシュタインは全ての概念を「約束事」である と考えて、どういった理論も、どれほど多くの 適用現象を含めることが出来るか に過ぎないとしています。とくにアインシュタインは19世紀を跨ぐ時点での 物理学の概観を示し、ガリレオとニュートンのコンビと ファラデーとマクスウェルのコンビを比較しています。 言語化・数式化されないレベルで実験計画を進める 実行力(推進力)がガリレオやファラデーにはあるのです。 そして、 ①力の起源が明確ではない点と②慣性質量と重力質量が 理論の中で明確な役割を果たしていない点に対して 疑問を投げかけ力学体系を電磁場での「場の理論」 で考えていく必要性を考え抜くのです。アインシュタインは何とかして、 近接作用と質点の力学をつなごうとします。 特に、エルンストマッハやローレンツの 果たした大きな役割にまで言及して20世紀初頭の 科学史上での大きな発展への道筋を立てています。〆【スポンサーリンク】以上、間違い・ご意見は 以下アドレスまでお願いします。 問題点に対しては 適時、返信・改定をします。nowkouji226@gmail.com2023/05/14‗初稿投稿 2024/11/11‗原稿改訂旧舞台別まとめへ 舞台別のご紹介へ 時代別(順)のご紹介 力学関係へ 電磁気関係へ 熱統計関連のご紹介へ 量子力学関係へ【このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています】